私の大学の先輩である大場俊二先生は、言わずと知れた日本のサッカー界の重鎮である。
大分県で大場整形外科を開業されているのだが、ある時、大事な会議への出席だとかで、私が代診に呼ばれた。
職員の方が大分空港まで迎えに来てくださり、車に揺られて着いた先は、学校か？スポーツクラブか？と目を見張るような広大な敷地だった。
そして中に足を踏み入れてみると、どちらも正解だった。
日本の整形外科で理学療法をしっかりと行なっている施設はかなり少ないのではないだろうか。
それは牽引とかマッサージではなく、患者さん自らが体を動かす運動療法である。
大場整形外科では、熟練した理学療法士が個々の患者さんに付いてしっかりと運動療法を教えている「学校」だった。
また、館内にはスポーツクラブにあるようなフリーウエイト、ラットプルマシンやレッグプレスマシンが配置されていた。窓からグラウンドのほうに目をやると、中学生らしき生徒数人が熱心にアジリティトレーニングを行っていた
。
これはまさに「スポーツクラブ」ではないか。
一般の方からスポーツ選手まで、しっかりと受け入れ可能な高度な医療施設の証であった。
もちろんMRIやCT、流行りのエコーなどの医療機器も充実しているし、手術室もせわしなく稼働していた。
代診を任された外来は、そこもまたかなりの賑わいであった。
しかしナースやヘルパーさんが手際よく手伝ってくれるので非常に流れが良い。
さらに大分の患者さんは皆な従順で、初対面の私であっても熱心に診察結果に耳を傾けてくれたのがうれしかった。
私自身が医者でありながら筋トレ大好きなパーソナルトレーナーでもあるので、このようなスポーツ感が溢れ出る施設（ホームページの写真がまたすごい！）に足を踏み入れるだけでワクワクしてしまう。
とても有意義な代診であった。